モチが少し不安定になると、前処理を見直したくなります。
それ自体は、とても自然なことだと思います。
シャンプーは今のままで足りているのかな。
クレンザーも入れた方がいいのかな。
プライマーも毎回使うべきなのかな。
ブースターまで足した方が安定するのかな。
こうやって考えていくと、気づけば「今より商材を増やした方がいいかも」という方向に気持ちが向きやすくなります。
でも実際は、持ちの不安定さは前処理商材の数そのものより、今の前処理がきちんと機能しているか、室内条件が合っているか、グルーが新鮮かといった土台の方に原因があることも少なくありません。
つまり、商材を足す前に一度立ち止まった方がいい、ということです。
まず見たいのは、今ある前処理がちゃんとできているか
前処理商材を増やしたくなる時ほど、最初に見たいのはここです。
今ある前処理を、毎回同じ精度でできているか。
前処理は、単にアイテムを並べることではありません。
1.洗う
2.残留物を整える
3.必要な時だけ追加で整える
この流れが安定していて、はじめて前処理は意味を持ちます。
たとえば、
ラッシュシャンプーはしているけれど、乾き方に毎回差がある。
クレンザーは使っているけれど、量や入れ方が一定ではない。
プライマーを足してはいるけれど、必要な日と必要ではない日の区別が曖昧になっている。
こういう状態だと、商材を増やしても「何が効いたのか」「何がズレているのか」が見えにくくなります。
だから最初に見たいのは、商材を増やすことより、今の前処理の再現性です。
次に見たいのは、足したい理由がはっきりしているか
ここはとても大切です。
前処理商材を増やす理由が、なんとなく不安だからになっていないか。
たとえば、皮脂が多いお客様が多いなら、プライマーを考える理由ははっきりしています。
メイク残りや細かい残留物が気になりやすいなら、追加で整える意味も見えてきます。
けれど、理由が曖昧なまま「ひとまず増やしてみる」となると、前処理の目的そのものがぼやけやすくなります。
皮脂が問題なのか。
洗浄不足なのか。
乾かし方なのか。
それとも、実は前処理ではなく別の条件なのか。
ここを分けないままアイテムだけ足していくと、前処理はどんどん重たくなります。
でも、本当の原因には近づけないことがあります。
実は、前処理より先に確認したいことがある
ここは見落とされやすいところです。
前処理を増やしたくなる日でも、その前に確認したい項目があります。
ひとつは、室内の湿度と温度です。
グルーは湿度や温度によって硬化の進み方が変わります。
つまり、モチが悪いように見えても、実際には前処理ではなく、部屋の条件がずれているだけということもあります。
もうひとつは、グルーの鮮度です。
開封から日が経っている。
ドロップを引っ張りすぎている。
保管状態が安定していない。
こうしたことでも、仕上がりやモチは変わります。
つまり、前処理を一本増やす前に、
今日は部屋が合っているか
グルーは新鮮か
を見た方が早い日もある、ということです。
それでも足したいなら、一気に増やさないこと
ここでやっと、前処理商材を増やす話になります。
もし本当に必要があるなら、増やすこと自体は悪くありません。
ただ、その時に大切なのは、一気に増やさないことです。
これも入れてみる。
あれも足してみる。
そうやって一度に増やしてしまうと、改善したとしても、何が良かったのかがわかりにくくなります。
逆に、うまくいかなかった時も、どこに原因があるのか切り分けにくくなります。
前処理商材を増やす時は、
これを足す理由は何か。
足したあと、何がどう変わったか。
ここが見えるようにしておいた方がいいです。
前処理が増えるほど、ズレの入り口も増える
これは少し厳しく聞こえるかもしれません。
でも、工程が増えるということは、液量、順番、乾燥時間、塗布位置のズレが入りやすくなるということでもあります。
前処理がうまく機能しない時は、各ステップをきちんとやり切れていないことや、本来の目的と違う使い方をしている
ことが原因になることもあります。
だからこそ、商材を足すなら、前処理が豪華になることより、工程が増えても精度が落ちないかの方を見たいです。
前処理は、増やした量ではなく、狙った役割をきちんと果たせているかで見た方が、現場では役立ちます。

PLJの解釈として
PLJの解釈としては、前処理商材を増やす前に先に確認したいのは、次の4つです。
1.今ある前処理が、毎回同じようにできているか
2.足したい理由が、はっきりしているか
3.室内環境とグルーの状態は安定しているか
4.工程が増えても、精度を保てるか
この4つを見ないまま商材だけ増やしていくと、前処理は複雑になるのに、原因は見えにくくなります。
逆に、この4つが整理できているなら、
「今は足すべきか」
「今はまだ足さなくていいか」
の判断もしやすくなります。
まとめ
前処理商材を増やすこと自体は、悪いことではありません。
でも、増やした方がいい日と、増やす前に確認したい日があります。
なんとなく不安だから足す。
モチが気になるから、とりあえず足す。
そういう増やし方だと、前処理はだんだん重たくなります。
でも本当に見たいのは、
今の前処理がきちんと機能しているか、
その不安が前処理の問題なのか、それとも別の条件なのか、
ということです。
前処理は、増やすことより、
必要なものを必要な理由で足せること
の方が大切だと思います。

