髪の白髪は見慣れていても、まつ毛となると、
「これって白髪?」
「ティントしてもいいの?」
「そもそも、まつ毛も白髪になるの?」
と判断に迷うアイリストさんもいるかもしれません。
実は、まつ毛にも白髪はあります。
ただし、白く見えるまつ毛が、すべて加齢による白髪とは限りません。
今回は、白いまつ毛を見つけた時にサロンでどこを確認したらいいのか、
そしてマスカラパーマを提案する場合に考えておきたいポイントを整理します。
まつ毛にも白髪はある?
頭髪と同じように、まつ毛も毛包でつくられ、メラニン色素によって色がついています。
加齢などによって毛の色素が減少すると、まつ毛もグレーや白く見えることがあります。
一方で、限られた部分の毛だけが白くなる状態は「poliosis(ポリオーシス/限局性白毛)」と呼ばれ、まつ毛や眉毛にも起こることがあります。
これは加齢による一般的な白髪とは少し違い、毛包のメラニンが減少・消失することで局所的に白い毛が現れる状態です。
なぜ、まつ毛は白髪になるの?
まつ毛の色は、毛包にあるメラノサイトという細胞が作る「メラニン」によってつくられています。
毛が成長する時にメラニンが毛に取り込まれることで、黒や茶色のまつ毛になります。
ところが、加齢などによってメラニンを作る細胞や、そのもとになるメラノサイト幹細胞の働きが低下すると、
新しく生えてくる毛に含まれるメラニンが少なくなります。
その結果、毛の色がグレーや白に見えるようになります。
白髪については、加齢だけでなく、遺伝的な要因や酸化ストレスなど、複数の要因が関係すると考えられています。
ここで興味深いのが、まつ毛は頭髪と比べて白髪化が遅いということです。
まつ毛の毛包は頭髪の毛包と似た構造を持っていますが、毛周期や色素に関わる仕組みには違いがあります。
研究では、まつ毛は頭髪よりも色素を保ちやすく、加齢によって白くなること自体が比較的珍しいとされています。
そのため、サロンワークの中で「白いまつ毛」に頻繁に出会わないのも不自然なことではありません。
白く見えるまつ毛=すべて白髪ではない
施術中に白っぽい毛を見つけても、すぐに「白髪ですね」と判断する必要はありません。
まず見たいのは、本当に毛そのものが白いのかということです。
たとえば、毛先だけが茶色や透明に見える場合。
自まつ毛は毛先に向かうほど細くなるため、光の当たり方によって先端部分が薄く、透明に近く見えることがあります。
これは以前の記事でも詳しく解説しましたが、毛先が薄く見えることと、毛そのものの色素が抜けて白くなっていることは別です。

図:自まつ毛のテーパー構造
毛先に向かって細くなるため、光の当たり方によって存在感が弱く見えることがあります。
また、目元に化粧品などが残っている場合は、毛の表面が白っぽく見えることもあります。
だからこそ、白い毛を見つけた時は、清潔な状態で改めて確認することが大切です。
白いまつ毛を見つけた時の確認POINT
サロンで原因を診断する必要はありません。
アイリストが見るべきなのは、「白髪かどうかを言い当てること」ではなく、いつもと違う変化がないかを確認することです。
たとえば、
・1本だけなのか、複数本まとまって白いのか
・根元から毛先まで白いのか、毛先だけ薄く見えるのか
・以前からあるのか、最近急に増えたのか
・眉毛にも同じような白い毛があるか
・まぶたや周囲の皮膚にも色の変化がないか
・赤みや炎症など、目元に気になる変化がないか
こうしたところを見ておくと、「単純に色を補えば良いケースなのか」を考えやすくなります。
局所的な白毛は、白斑や一部の炎症性疾患などに伴って見られることも報告されています。
白い毛が急に増えた、
皮膚の色にも変化がある、
目元に炎症があるなど気になる状態がある場合は、
サロン側で原因を決めつけず、必要に応じて医療機関への相談をご案内する方が安心です。
白いまつ毛があったら、マスカラパーマはできる?
ここで大切なのは、
「白い毛がある=すぐマスカラパーマ」ではない
ということです。
まずは毛と目元の状態を確認し、そのうえでお客様が色味を気にされている場合に、
仕上がりの選択肢としてマスカラパーマを提案します。
たとえば、
「こちらに少し色の薄いまつ毛があります。気になるようでしたら、マスカラパーマで色味をなじませて仕上げる方法もありますが、
いかがですか?」
というように、状態を伝えたうえで選んでいただく形です。
白いまつ毛を「隠さなければならないもの」と決めつける必要はありません。
そのまま仕上げるのか、色味をなじませるのか。
お客様がどんな仕上がりを希望しているかを確認して提案することが大切です。
なぜティント剤の3社比較に「白髪」を使ったの?
前回のblog記事では、マスカラパーマ剤(ティント)の色の入り方を確認するため、他社2商品とあわせて3社比較を行いました。
その実験で使用したのが、頭髪の白髪です。
※比較に使用したのは「白いまつ毛」ではなく、頭髪です。
白髪を使用した理由は、とてもシンプル。
もともとの色素が少ない毛を使うことで、ティント剤ごとの色の入り方や染まり方の違いを視覚的に確認しやすいからです。
頭髪とまつ毛では、毛周期や毛包の特徴が異なるため、この実験結果をそのまま
「白いまつ毛でも同じように染まる」と置き換えることはできません。
まつ毛の毛包は頭髪とは異なる特徴を持つことも知られています。
そのため、この比較はあくまで「ティント剤ごとの色の入り方を見るための比較実験」として行っています。
まとめ|白いまつ毛を見つけたら、まず“見る”
まつ毛にも白髪はあります。
ただし、施術中に見つけた白い毛が、必ずしも加齢による白髪とは限りません。
毛先が透明に見えているのか。
毛そのものが根元から白いのか。
1本だけなのか、まとまっているのか。
目元や皮膚にも変化がないか。
まず状態を見る。
そして、色味を気にされているお客様には、選択肢のひとつとしてマスカラパーマを提案する。
白いまつ毛に出会うことは、それほど多くないかもしれません。
だからこそ、実際に出会った時に「とりあえず染める」ではなく、状態を見て、
お客様に合った仕上がりを一緒に選べることが、アイリストの提案力につながります。
白いまつ毛の色味を整える選択肢として、マスカラパーマを取り入れたいサロン様は、
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